第5回 沖縄の宿泊施設向けレベニューマネジメント入門
5回にわたって沖縄の小規模宿泊施設の利益改善についてご案内いたします。
シリーズ5回の内容は以下の通りとなっております。
是非、第1回から第5回までお読みいただき利益改善にお役立てください。
第1回 「沖縄の小規模宿泊施設が利益を残せない3つの理由」
第2回 「稼働率80%でも利益が出ない宿の共通点」
第3回 「OTA依存から直販比率を高める方法」
第4回 「口コミ4.8以上の宿が実践している運営」
第5回 「沖縄の宿泊施設向けレベニューマネジメント入門」
レベニューマネジメントとは?
難しく聞こえる「レベニューマネジメント」。
簡単に言えば、
「限られた客室を、適切なタイミングで、適切なお客様に、適切な価格で販売する考え方」
です。
例えば10室の宿があるとします。
今日10室すべてを8,000円で販売するのと、
需要の高い日は12,000円、需要の弱い日は7,000円というように価格を変えるのでは、年間売上が大きく変わる可能性があります。
沖縄の宿泊施設で重要な理由
沖縄の宿泊需要は、季節や曜日、イベント、連休などによって変動します。
つまり、
「年間を通して同じ価格」
では、販売機会を逃してしまう可能性があります。
例えば、
- 金曜日・土曜日
- 連休
- 夏休み
- 年末年始
- 地域イベント開催日
- 大型連休
- 航空便の動向
だからこそ、価格を固定するのではなく、需要を見ながら調整することが重要です。
最初に見るべき3つの数字
難しいシステムを導入する前に、まず以下の数字を確認しましょう。
① 稼働率
客室がどの程度売れているか。
② ADR
ADRとは「平均客室単価」です。
売上を販売した客室数で割って算出します。
③ RevPAR
RevPARは、販売可能な客室1室あたりの売上を見る指標です。
例えば10室の宿なら、
「どれだけ効率よく10室という在庫を売上に変えられているか」
を見ることができます。
価格を変えるだけがレベニューマネジメントではない
レベニューマネジメントというと、
「需要が高ければ値上げする」
というイメージがあります。
しかし、それだけではありません。
例えば、
- 最低宿泊日数を設定する
- 連泊を促進する
- 早期予約プランを作る
- 直前予約を調整する
- OTAごとの在庫を管理する
- 公式サイトの販売を強化する
- 曜日ごとに料金を変える
小規模施設は「複雑にしすぎない」ことも重要
大規模ホテルと同じような高度なシステムを、すべての小規模施設が導入する必要はありません。
むしろ最初は、
「昨年の同じ時期はどうだったか」
「今月の予約ペースはどうか」
「週末は何日前に埋まるのか」
「価格を上げても予約が入る日はいつか」
を記録するだけでも十分なスタートになります。
例えば、
| 状況 | 基本的な考え方 |
|---|---|
| 需要が強い | 価格を上げる |
| 予約ペースが早い | 値下げしない |
| 予約が弱い | プラン・価格を調整 |
| 直前まで空室が多い | 販売方法を変更 |
| リピーターが多い | 直販を強化 |
目指すのは「満室」ではなく「最大利益」
レベニューマネジメントで最も重要な考え方です。
例えば、
10室 × 8,000円 × 満室
より、
10室 × 10,000円 × 85%
のほうが売上は高くなる可能性があります。
さらに、清掃回数や人件費などの運営コストまで考えれば、後者のほうが利益を残しやすいケースもあります。
つまり、
「空室をゼロにすること」
がゴールではありません。
「客室という限られた在庫から、最大限の利益を生み出すこと」
がレベニューマネジメントの目的です。
まとめ
小規模宿泊施設のレベニューマネジメントは、難しい分析から始める必要はありません。
まずは、
稼働率
×
客室単価
×
予約ペース
×
販売チャネル
×
コスト
を見ることから始めましょう。
沖縄の宿泊施設では、季節や曜日による需要差をうまく利用することで、単純に「安くして満室にする」以外の経営が可能になります。
「何室売れたか」から、「どれだけ利益を残せたか」へ。
これが、これからの小規模宿泊施設経営で重要になる視点です。
残暑お見舞い申し上げます
朝夕には心もち涼しい風が吹くようになりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
おかげさまで私どもも無事に夏を過ごしております。
まだまだ日中は厳しい暑さが続きそうです。
どうぞくれぐれもご自愛ください。
令和8年 晩夏
Wagamama Lab
代表 國吉 静
2026年09月04日 19:55
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